研究室内プレゼン勉強会
今年度からウチの研究室では勉強会を実施しています.
大きく2軸に分かれていて,プレゼン編とプログラミング編があります.
初の取り組みであたふたな状態ですが,先日プレゼン編の勉強会が無事に(?)おわったので記録として残しておこうと思います.
目的
今回の勉強会の目的は「配属されたばかりの新B4たちに最低限のプレゼンに関するノウハウを知ってもらうこと」です.
去年は卒研発表までまともにプレゼンをする機会が少なく,先輩および先生の意見やコメントを得られる機会が非常に少なかった.その結果,発表1週間前なのにもかかわらず,指摘箇所が多すぎて修正にものすごく時間と手間がかかったという背景があります.
そこで今回は,直前にそんな焦らなくてもいいように,まだ院試勉強が本格化していない配属直後にプレゼンの勉強会を実施することで,最低限のノウハウを身につけてもらおうという魂胆です.
勉強会の流れ
ただ単に修士側がプレゼンのあれこれを紹介するだけだと絶対に身につかないので,実際にプレゼンを作ってもらうことでノウハウの吸収を目指します.
プレゼンの題材となるのはHCI系の研究論文です.本来輪講では英語論文を発表するのが普通なのですが,英語を読むことが目的ではないため,今回は日本語論文を選んでもらいました.各自が興味のある研究論文を選び,それをスライドに纏めてプレゼン形式で発表してもらいます.
#今回は研究内容を発表するというテイでのプレゼン勉強会です.
#様々なメソッドや見せ方等ありますが,その中でも今回は本当に基本的な部分を理解してもらうことが目的です.
見やすいスライドの作り方
論文が決まった頃に,修士側で「見やすいスライドの作り方」というテーマでB4に向けてプレゼンを行います.
内容は”フォント,配色,文章構成,レイアウト・・・”などなど.
たとえば,フォントは判読性や可読性を意識して選ばないと,読みにくかったり間違って文字を認識してしまったりする可能性が有ります.
また文章構成は原則体言止め.文章が複数行にわたる場合,改行の位置に気をつけます.しかしこの場合,そもそも文章自体が冗長な可能性が有るため,もう一度文章のブラッシュアップを行います.
他にもスライドの最後は”まとめ”スライドを表示して終わります.よく見かけるのは”ご静聴ありがとうございました”スライド.これについては賛否両論あるかと思いますが,少なくともウチの研究室ではいわゆる”ご静聴”スライドは絶対に入れません.なぜならこのスライドには情報量が全くないからです.”まとめ”スライドを出しておいたほうが情報量もたくさんあり,聴衆も発表内容を振り返ることができます.
伝わるプレゼンのやり方
スライドができたら次は「伝わるプレゼンのやり方」というテーマでB4に対しプレゼンを行います.
内容は”話し方,指示棒の使い方,質疑応答の注意・・・”などなど.
たとえば,スライドや原稿を読み上げるのではなく,前を向いて発表するなど.聴衆全体に向けて話すのではなく,聴衆一人ひとりに対し説明しているかのように話すよう心がけること.
また質疑応答では,結論ファーストで答えるようにするなど.特にyes/noで答えられる質問に対してyes/noの結論ではなく,理由から説明してしまうと最悪です.
実践
これらの内容を踏まえた上でスライドを作成し,実際にプレゼンを行ってもらいます.発表時間は質疑込みで一人15分でした(実際は質疑コメント時間が延び,30分ほどでしたが).
結果として,全員想像以上に堂々とプレゼンしていました.伝えてきたエッセンスもしっかり取り入れた内容になっており,非常にクオリティが高かったです.特にスライドの作り方に関しては重要な部分はしっかり押さえていたと思いました.
ただ,やはり一度で全ての内容を網羅するのは難しく,全体的に”話し方”に関する意識が低かったなあと感じました.聴衆に話しかけるのではなくスクリーンに話しかけていたり,とにかく時間内に全部言い切らないと!というスタンスが垣間見えたり,「伝えること」ではなく「発表すること」に必死になっていた気がしました.これに関しては練習不足が原因だったのではないか,と感じます.とはいえやはり慣れも必要になってくるので,一度の発表でこれを問うのは酷かなあとも思います.あとは回数を重ね,慣れてきた頃には自分なりの発表方法を見出して,伝わるプレゼンをしていってほしいなと思いました.
反省
「見やすいスライドの作り方」,「伝わるプレゼンのやり方」というスライドは,もっと修士側全体で作成するべきだったと思います.今回はM1が主体で動いてくれ,担当者がスライドを作成し,それをM2が添削するという形でした.
スライドを実際に作成するのは担当者でいいのですが,話す内容や見せ方,全体のデザイン等はもっと全体で話し合うべきでした.一度作成されたスライドを添削するだけだと,発表までの時間もそんなに残っていないため,大幅な修正が難しくなり担当者にも負担がかかります..B4にとっての教本となるスライドですので,全体で時間をかけてもっともっと綿密に作り込むべきでした.
収穫
自分がスライドを作成するときは,本当に客観的に自身のスライドを見ないといけないと感じました.自分で添削する場合,発表内容に関する知識をすでに持っているため,変なバイアスがかかってしまいがちです.一方で他人のスライドを添削する場合,前知識がないため論理的な矛盾だったりをすぐに見抜くことができます.この点に関しては,これ以降スライドを作成するときに気をつけなければいけないと感じました.
最後に
とにかく,今回は初めての取り組みだったため,右も左も分からない状態で出発しましたが,目的は達成されたと思ってます.本当に目的が達成されていたのなら,今回の反省等を生かし,よりブラッシュアップさせたものを来年以降も次のB4たちに向けてやっていってくれるでしょう.
さて次回はプログラミング大会です.詳細は未定ですが,研究室内で3,4人のグループを作り,ハッカソンみたいなことを行う予定です.楽しみ.